どうも、ゆうだいマンです。
あなたは感覚的な救助をしている隊員に助けられたいですか?
私は、いやです。
すべてのレスキュープランやシステムに物理的な根拠を持って活動することで、さらに迅速で確実な救助ができるようになると思います。
今回は「力学」についてです。それでは、いきましょう!
物理における力学とは
力学とは、「物体や機械の運動、またそれらに働く力や相互作用を考察の対象とする学問」(by Wikipedia)
つまり、力のかかり具合を数値化し、どのような現象が起こるかを考えることを目的とする学問です。
素粒子レベルから宇宙レベルまで幅広い分野までカバーする物理の分野のなかでも、ロープアクセスやレスキューは、比較的カンタンな『ニュートン力学』で説明できてしまうんです👍
高校で物理を学んだ人も専攻しなかった人も必ず理解できます。
訓練中などで、自分の頭で物理的なシステムでうまくいったとき、「計画通り(ニヤリ)」と夜神月ばりの悪い顔でニヤけたくなること間違いなしです。
力のつり合い
力がつり合うとは一体どのようなでしょうか?
ズバリ、静止している状態のことです。
「うん、当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、物理的にこれを説明するためには、3つの力を証明することが必要になります。
鉛直方向の釣り合い
主に、重力と張力(ロープやひも引っ張る力)がつり合うときや重力と垂直抗力(床が地面を押し返す力)を考えます。
簡単に言うと、上下の力のつり合いのことです。
水平方向のつり合い
主に、斜面でモノが下に滑ろうとする力と摩擦力のつり合いのこと。
ロープレスキューでいう、山岳救助の斜面を引揚げ救助するときに考えなければならない力です。
力のモーメントのつり合い
回転作用のことですがここでは割愛します。
なぜ、静止する話をしたのか
ロープアクセスやレスキューをしているときに、静止することはほぼありません。
必ず、登るか降りるという動的な状態であることが当たり前だと思います。
「要救助者を吊ったまま静止させておく」なんて救助方法なんて、おそらくないからです。
ヒトやモノを鉛直方向、水平方向に動かすときは、静止している状態のバランスを崩すことで、移動につなげることができます。
例えば、引揚げ救助の場合、要救助者にかかる重力とロープを引く力が後者のほうが強ければ引き上がるし、ロープを引く力が小さければ、要救助者は上がらない(落下するかもしれない)ということです。
また、物理的な計算上は上がるはずなのに、要救助者が上がらない場合は、おそらくシステムのどこかにトラブルが発生していることに気づくことができます。
例)担架が障害物に引っかかっている、ロープがエッジや障害物に強く干渉している、ツーテンションロープが捻れているなどなど。
まとめ
物理を理解することで、根拠のある自信を持って活動することができ、トラブルが起こった際にすぐに気づき対処する能力が身についていきます。
まさか、こんなところで物理を使うことになるとは、思いませんでした(笑)
少し難しい話ですが、感覚的に感じていたことが、数値として証明できると死ぬほど気持ちいですよ😁
一緒に学んでいきましょう!
では、また✋